日光がとても眩しい。
 数日後、二人は予定よりも三日ほど多く留まった街を後にした。
 その間外を歩くより室内に篭っていたことの方が多かったため、久しぶりに広い大空を見上げマギーは目をすがめた。視線を前に戻しながら言う。
「ごめんね、ミカエル」
「何が」
「私のせいで街を出るのが遅くなっちゃって」
 別にいいって言っただろと過剰なまでにぶっきらぼうに言って、マギーの一歩半ほど先を行くミカエルはそっけなく曲げた首を元に戻した。
 あれから、泣き疲れたマギーは昼過ぎまで眠ってしまい、他にも様々な要因が重なったこともあって、その日のうちに終わらせる予定だった資料のまとめは三日後まで完了が延びた。
 翌日開催されたパレードでは怪我人が出ただの急病人が出ただの、医者としてあちこち引っ張りまわされた(といっても自主的に出て行ったようなものだが)おかげで、作業は遅々として進まなかった。
 さらに言えば、宿を取り直すのも面倒だとあの部屋に泊まりっ放しだったことも災い――というべきかは微妙なところだが――して、単なる通過点であったはずのあの街で随分と知り合いも増えてしまった。
 また来てくれよサービスするから、と声をかけられたのは何も長期滞在した宿だけでなく、マギーが治療をした者やら噂を耳にしただけの者やら、まあとにかく大騒ぎであったことは違いない。
 そういった雰囲気に慣れないミカエルは随分と居心地悪そうに、時折先生のいい人かいとからかわれたりしつつ(事実なのだけれど)、それでもマギーの側に居てくれた。
 だから余計に、マギーは申し訳ない気持ちになっていた。
「別に急ぐ旅でもないしな。色々貰ったし」
「う、うん。でもちょっと、多すぎるかな……」
 二人の荷物は街に入る前の倍くらいになっている。予定外に知り合いとなった街の住民からの心ばかりの贈り物だった。
 食料が主なので数日後にはなくなってしまうだろうが、かといって野宿を続けるような行程でもない。マギーの口から自然とごめんね、が繰り返されるのも仕方がないと言えた。
「別に俺は、アンタが悪いとか思っちゃいない」
「……うん」
 ありがとうミカエル、とマギーは言葉を変えた。それでも、ミカエルの返事は別にいい、の一点張りだった。
 そのまま会話が途切れる。
 マギーはその沈黙を嫌だとは思わなかった。無言の背中は、自分がついてくることを拒んだりはしていなかったから。
 だから、さらにしばらく経ってから、マギーは酷く言いにくそうに切り出した。
 その通りかどうかはわからないけれど、言っておかなければまた同じ間違いを繰り返してしまうかもしれない。そう思って、覚悟を決めた。
 ミカエル、と名前を呼ぶ。
「あ、あの……ね、今回はその、忙しかったし色々でそのままだったけど」
 そこでマギーは何故か不足していた酸素を吸って、残りを一気に言い切る。
「つ――次の宿は、別々の部屋にしたほうが、いいよ、ね」
 ……つもりが、尻すぼみになった挙句ごにょごにょと語尾を濁した。
 けれどミカエルは大仰なまでに反応して、
「あ、当たり前だ!」
 だいたいあれはお前にも責任が、と言いかけてちらりと目線をやると、聞きとがめたマギーがえ?と顔を上げて目が合ってしまい、ミカエルは慌てて前を向いた。

 再び訪れた沈黙の中、二人の差が一歩半から二歩に広がって――やがて、半歩まで縮まった。



 そこはとても居心地がよくて、温かくて。
 ただそれだけで、嬉しくなれる場所。

 ――人はそれを、エデンと呼ぶのだ。






 あの最終巻のエピローグはちくしょう何なんだよ見開きで吹いたわ!(笑)
 まあそれほどにこう衝撃がでかかったちうかマギーがおいどんのマギーが可愛いくてちゃんと幸せになってよかったねヒャッホウばんざーい!というわけで、最終カットの髪の毛いじりいじられの二人からここまで妄想逞しく引き起こしてみましたよ。
 自分でも存分にアホだなあとは思うのですが楽しいのでもういいです笑うなら笑ったってくださいむしろその方が嬉しい(えー)

 とゆわけでミカマギャー!なラストをありがとう戸土野先生!(今更) 存分にハァハァさせてもらいました!(ハァハァ言うな)

(2006/04/23 up)

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